約束-promise memory-
「あ、あの・・・・」
私の声に柏木君が反応して、振り返った。
柏木君と目が合った瞬間、過去の記憶が全部蘇ってくる。
ドックン ドックン
「何?」
「あ、あの・・壱・・だよね?」
「・・・・・壱だけど。俺、あんたの事知らないよ」
「え・・・でも・・・」
言いかけた時に、誰かが私の腕を掴んだ。
振り返ると、塁が冷たい目で私と柏木君を見ていた。
「塁・・・」
「何してんだよ」
「だって・・・」
「柏木は"アイツ"じゃねーって言ってるだろ?いい加減目を冷ませ」
「違う・・壱だもん・・・」
「凛!いい加減にしろ!・・・柏木、悪いな。邪魔した」
塁は、私の腕を引っ張って、皆の所へ連れ帰った。