約束-promise memory-





「あ、あの・・・・」



私の声に柏木君が反応して、振り返った。



柏木君と目が合った瞬間、過去の記憶が全部蘇ってくる。




ドックン ドックン




「何?」


「あ、あの・・壱・・だよね?」


「・・・・・壱だけど。俺、あんたの事知らないよ」


「え・・・でも・・・」



言いかけた時に、誰かが私の腕を掴んだ。



振り返ると、塁が冷たい目で私と柏木君を見ていた。



「塁・・・」


「何してんだよ」


「だって・・・」


「柏木は"アイツ"じゃねーって言ってるだろ?いい加減目を冷ませ」


「違う・・壱だもん・・・」


「凛!いい加減にしろ!・・・柏木、悪いな。邪魔した」




塁は、私の腕を引っ張って、皆の所へ連れ帰った。









< 17 / 309 >

この作品をシェア

pagetop