約束-promise memory-
【Memory.13】壱と凛
自分達の出番がない時は、壱と塁が出ている試合を見に行ったりした。
「なんかあの2人、すごい楽しそうに見えるね」
茜が、壱と塁を見て言った。
「きっと楽しいんだと思うよ」
「そうだね!」
今の2人を見ると、昔、毎回応援に駆け付けた時の事を思い出す。
あの時は必死で叫んで、得点や三振を取るたびに飛び跳ねて喜んだっけ。
そう思った時。
「スゥー……がんばれー!!」
そう叫んでた。
「ハァ、すっきりすっきり」
「凛、あんた意外と大声出るんだね」
「まぁね」
私達はお互い、顔を見合わせて笑った。
――――見事、男子は優勝を果たした。
私達は、準優勝で終わった。
こうして、球技大会は幕を閉じた。