約束-promise memory-
今頃壱はきっと、あの女に全てを話している。
どうして?
どうしてなの、壱。
壱は私を捨てられないはず。
あの女がどんなに壱の側に居ようと、壱はきっと私を選ぶ。
壱はそういう人。
壱は私のものなのに、私を見ない壱が居て、どんなに私の側に居ても、壱が見てるのは私じゃない。
だから、あの女が許せない。
壊してやるわ。
「若菜お嬢様、おかえりなさいませ」
「ただいま。ちょっとの間、部屋には絶対に近づかないでね」
「かしこまりました」
私は、自分の部屋へ向かった。