約束-promise memory-
【Memory.15】凛と若菜
〜♪〜♪〜♪
ポケットの中の携帯が鳴った。
ディスプレイには「塁」の文字。
「もしもし?」
『今大丈夫か?』
「ああ、どうした?」
『俺、勝負に出た』
「勝負?」
塁の声は、どこか強い感じがした。
『凛に、告白した。って言っても、何回目かわかんねーけど…だけど、これで最後』
「塁…」
『アイツがお前を忘れられないってんなら、俺は諦める…だけど、少しでも俺にチャンスがあるなら、付き合って欲しいって言った』
「うん…」
『お前にだけは、先に話したかった』
「サンキュー…」
『一週間後、必ず返事をくれって言った。バカかな?俺って…』
「いや、バカじゃない。俺はお前に感謝してんだ」
『なんかカッコ悪いな、俺』
「どうしたんだよ!そんな弱気でさ」
だんだん小さくなる塁の声は、自信無さげな声。