約束-promise memory-
-若菜 side-
家に帰ると、使用人が私に言った。
「壱様が、明日大事なお話があるから伝えておいて欲しいと、先ほどお見えになっておりました」
「え?壱が・・・?」
「ええ、とても真剣な顔でしたが・・・」
「そう・・・・わかったわ」
真剣な顔で、一体・・・何?
私の中ではもう、ひとつの考えしか思い浮かばなかった。
私から、離れるつもりなんだわ。
私、捨てられるんだわ。
でも壱、もう遅いわ。
もう3日後には、あの女は崩れるの。
もう、手はうってあるの。