約束-promise memory-
<<翌日>>
壱は言った通りにやって来た。
意外な言葉と一緒に。
「壱、今・・・なんて言ったの?」
「だから俺は、お前と結婚する事に決めた。だから、こうしてプロポーズしてる」
「み、南沢さんは?!」
「なぜ凛の事気にするんだ」
「だ・・だって壱は・・・」
南沢凛が忘れられないはず。
意外だった。
私はてっきり、捨てられると思っていたから。
「じゃ、じゃぁ壱は、私を選ぶの?」
「ああ、もう決めた。嘘はない」
「・・・・・・・壱・・」
「これでいいんだ。もう・・・・」
壱が一瞬、悲しげな表情をしたのを、私は見逃さなかった。
だけど、壱が自分からプロポーズしてくれた。
私は、壱を信じたい。
「本当に、私でいいの?」
「何度も言わせるなよ」
「ご、ごめんなさい・・・私、嬉しいわ」
壱が私のものになってくれた。
あの女に私は勝ったのね・・・
そう思うと、"あの計画"が、どうでもよくなった。
壱はそれから、おば様の病院へ行くと、家を出た。
私は、携帯を取り出し、雄二に電話をした。