約束-promise memory-
塁 side
「なら、私たち近くのお店で待ってるから、凛、気を付けてね?」
「うん。ごめんね茜…心配かけて」
凛と茜がそんな会話をしている横で、壱は凛をずっと見ていた。
そんな壱を見て、俺はちょっとだけ悔しい思いをしていた。
それは、凛がどうしてもあのお嬢様のところへ行きたい理由にある。
凛はきっと壱のために行くんだと思うから。
危険な目に遭うかもしれないのに、それでも壱のために行くのか凛。
やっぱり俺は、それを支える親友でしかないのか。
そんな想いを胸に、俺たちは指定場所まで急いだ。