約束-promise memory-
-凛 side-
若菜さんが、私にしようとしてたこと。
ヒドいことだってわかってる。
けど、若菜さんはきっと、壱のことが好きだから…本気で壱を想っているから、したんだと思う。
その気持ちは私には、わかる。
「着いた。ここだ…」
そこは、古びた廃虚ビル。
壱が私に聞く。
「本当に、むちゃだけはするなよ?」
私はただ頷く。
若菜さんには、こんな形じゃなくて、ちゃんと壱を想ってもらわないと。
壱を幸せにしてほしい。
だから私は、若菜さんを助けたい。
…そう思ったんだ。
深く深呼吸をして、3人でビルの中に入った。