約束-promise memory-
-壱 side-
相手は、3人…か。
殴り合いとかになったら絶対に敵わない。
どうする…。
「(ボソッ)おい、壱」
いきなり、塁が小声で話始めた。
「俺らがなんとかして食い止めねーと、あのお嬢様は助けられねー…だから、一か八か…」
「………ああ、一か…八かだな」
「何?内緒話?俺らにも聞かせてよ」
相手が、俺らにジリジリと近寄って来る。
「お前らに話すことなんか…ねーんだよ!!」
そう言うと同時に、塁が勢いよく相手に向かって走り出した。
それに俺も続く。
そして走りながら塁は、デカイ声で叫び出した。
「りーん!!お嬢様はお前に任せた!!」
「えっえっ!!あ、う、うん!!」
それを聞いた凛は、俺らの後ろから続いた。
俺らは、まるでラグビーでもやってるかのように、勢いよく相手の懐に突っ込んだ。