約束-promise memory-
「俺は昔、凛の考えている事とか、凛がしたい行動とか自然と分かってた。けど、今回は何で若菜を助けに行きたいって言ったのか分からなかった」
「……」
「お前は、すぐ分かったから「ついて行く」って言ったんじゃないのか?」
「…まーな」
「お前はずっと凛と居るし、ずっと凛の事想ってきたんだもんな」
「まーな。…ってか、俺もやっぱりお前が羨ましい」
俺は壱に目線を移した。
「こうなったお前を、まだあの時の気持ちのまま想ってる…俺はどんなにそばに居たって、それが叶わない」
「……それは、どうかな……」
それは、どうかな?
何だ?意味深な言葉。
「どういう意味だよ」
「そのまんまの意味だ。とにかく、俺は若菜と結婚する…凛もそれを応援してくれてるんだ。その期待に応えたい」
「…話そらすなよ。バカヤロー。…お前がそう選んだなら俺は反対しない」
「サンキュ。あと、凛のこと頼むな」
「言われなくても…頼まれてやるよ」
壱が何が言いたかったのか分からない。
けど、それがわかる日が来るだろうか。
凛からの返事まで、あと4日。
凛とは何も話せないまま帰ってきたけど、凛は考えてくれてるんだろうか。