約束-promise memory-
-壱 side-
塁と別れて、一人夜道を歩く。
塁はあんな事言っていたけど、果たして凛は、本当に今でもあの時と変わらないまま俺を想ってるのか。
俺は、何かが変わっていく気がして、少し寂しい気持ちでいた。
そんな時はあの場に行くのが限るな。
「明日、母さんの病院に行こ」
確か、塁は凛からの告白の返事を待ってるって言ってたっけ。
凛、なんて返事するのかな。
正直、気になってるのは何でなのか。
俺も、塁や凛を応援するって決めたのに。
なーんか、モヤモヤ…煮えきれねーや。
俺、少しの可能性ってやつを考えてんのかな。
「全然吹っ切れてねーよ俺」
~♪~♪~♪
携帯の着信音に気づき、ディスプレイに映し出された名前を見た。
「若菜……」
"ピッ"
「はい」
『あ、壱?…話したいことがあるの』
「今?」
『いつでもいいけど、大事な話なの』
「わかった。なら、明日母さんの病院行くから、その帰りに寄る」
『なら、私がおば様の病院まで行くわ?おば様にも聞いて欲しいから』
「そうか…わかった」
『それじゃ、明日』
「ああ」
なんなんだ。いったい。