約束-promise memory-





-塁 side-



登校日の朝、凛は、いつもより少し、ぎこちなかった。


理由は、分かるんだけど。


だけど、もう一つ気になったのが、壱だった。

少し元気がない。


不思議には思ったけど、俺は自分のことで精いっぱいだった。


今日凛から返事がもらえるのか?いったい、なんて答えてくれるのか?と不安になって、気持ちが正直落ち着かなかった。

敢えてこの日を選んだのも、変に緊張したくないから…だったのに。

緊張しまくりだ。



「お、おはよう!!」


「おはよう、凛」



普通に挨拶を交わしてみる。

変に思ったかな?

席に着き、壱にも声をかける。



「おはよう」


「ああ、おはよう」



それだけだった。


確か、壱も今日のことは知っているはず。


壱も、気にしてるのか?
落ち着かない様子。


それとも、別の…何か?




「ホームルーム、始めるぞ~!!」

担任が入ってきて、教室が静かになった。







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