約束-promise memory-
「あの告白…なかったことにする」
「え…でも塁…」
「なんて言うかこう…壱にはやっぱ敵わないなーなんて、思ってさ」
なんておどけて、軽い感じで告白をなかったことにする。
最低な俺。
けど、これでいいんだ。
俺なりの、精一杯の凛への背中押し。
「俺は、凛が笑っていてくれたら、何だっていい」
「……塁」
「と、まぁ夏休みももうそろそろ終わるし?最後くらい壱と2人で出掛けてみたら?」
「な、何言ってるの!?」
ほらほら、その動揺。
自分で言ったんだけど、なんか傷つくな。
自分勝手な俺。
笑って、おどけて、自分で自分傷つけて。
何やってんだ、俺。
「いいから!後で壱にメールしてみろって」
最後に笑って言ってみせた。