約束-promise memory-



-凛 side-


私を連れて行きたいとずっと思ってた。

壱は言ってくれた。


いつから?

素直にうれしかった。


「お待たせしました」


テーブルの上にパンケーキが運ばれてきた。


「わぁ!すごーい!!おいしそう!」


「ね?でしょ?」


そのパンケーキを見たとき、ふとあることを思い出した。


「そうそう、高校に入学したての頃かな?塁とね、あるカフェに行ったことがあるの」


「うん」


「そこでね、塁ってば、俺は男だからパンケーキなんて食べない!なんて言ってさ」


「うん」


なんだか私はそのときのことを思い出して、笑えてきた。

楽しかったから。


「いいから一口!って私が薦めて口に運んであげたの!そしたら…塁どうしたと思う?」


「……うーん、「うまい!」とか言って、それから塁がハマッたとか?」


「正解!!もう、毎日毎日そのカフェに通ってさ~!私が逆に飽きちゃって!けど、塁のあんな顔見たことなくてさ、笑えたよ!」


「塁らしいじゃん」



あ…つい…テンション上がっちゃった。



「あ…ごめん」



なんで私謝ってるのよ。







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