約束-promise memory-
【Memory.4】"壱"と"壱"
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「・・・そっか、凛と塁の過去にそんな事が」
私達の話しを聞いて、茜が最初に言った言葉だった。
「うん・・・」
「なんとなくその"壱"って人の話しは聞いていたけど、詳しく聞いたのは初めてだな」
新が静かに呟いた。
高校一年生の時、一度だけ"壱"の話しを茜達にした事がある。
だけど、ただ幼馴染みだった事と、私が想いを寄せてた初恋の人だった。
としか説明しなかった。
ここまで細かく話したのは、これが初めて。
私は出来れば、話したくはなかった。
皆は優しいから、きっと心配する。
壱が居なくなった時から、私をずっと元気づけてくれた塁にも、迷惑ばっかりかけてきた。
私が泣けば何時間でも付き合ってくれた。
私が心配だからって同じ高校を受験してくれた。
だから私は、塁が居なければ今頃・・・いったいどうしてただろう。