約束-promise memory-

「ねぇ壱？おば様の退院決まったって本当？」


「ああ、来週にでも退院出来るみたいだ」


「そっか…良かったわね！」


「ああ」




壱と若菜は、二人院内を歩く。




「……壱、本当にこれで良かっの？南沢さんのこと」


「俺は凛の幸せをずっと願ってきた。それは塁も一緒だった。ただ、それが俺じゃなくて、塁だった。ただ、それだけ」


「壱…」


壱は、少し笑ってみせた。



「なら私！私、頑張ってみようかな？」


「……うん。いいんじゃない？」


「私、壱を諦めないんだから！私も、壱には幸せになってほしいから」


「ああ」




若菜は微笑み、壱の横を並んで歩く。


この二人にはもしかすると、幸せになるカギがお互いのどこかにあるのかもしれない。


二人に幸あれ。