約束-promise memory-
「ねぇ、何見る?」
「凛が見たい映画でいいよ」
「え~、たまには塁が見たい映画にしようよ!いつも私が選んじゃってるから!」
「なら……これ」
塁が指差したのは、今話題を集めているホラー映画。
「……私がホラー嫌いなこと知ってて?」
「どっちなんだよ!凛が、俺が見たい映画でいいって言ったんだぞ?」
「そうだけど……」
塁は、意地悪な笑みを浮かべ、凛を見ていた。
「…冗談だよ、冗談!なら、これは?」
「ううん!ホラー見る!!」
「ちょ、凛!」
「「真夜中の背中」を2枚下さい!」
凛は意地になり、ホラー映画のチケットを2枚購入した。
「怖くないんだからね!」
「またまた~」
「ほんとなんだからね!」
「はいはい。お前のそういう強がりなとこ、嫌いじゃないよ」
「バカ!」
「まぁ、いざ怖くなったら俺が目塞いでてやる」
「いい!」
「いずれそうなる事は目に見えてる」
「ならない!」
「お前のことは、俺がよく知っているからな」
塁は、凛の頭をポンポンとした。
「子供扱い……」
「子供でいいんじゃないか?そしたら、俺がいつまでも守っててやれるかな」
「いつまでも?」
「ああ、いつまでもだ」
「それなら!……ん?」
「ほら」
「……塁」
塁は、そっと小指を差し出した。
「約束だ」
2人の小指が、そっと絡み合う。
そして、2人の声が重なり合う。
指きりげんまん、嘘ついたら針千本のーます…
指切った______。
2人の約束は、いつまでも消えない。
この後、凛がどうなったかは、言うまでもない。
*HAPPY END*