約束-promise memory-
-塁 side-
凛はおばさんの電話に出て、ベランダへ出て行った。
正直、"アイツ"の話しをすると怒りしか出てこない。
凛の姿を見た茜が言った。
「ねぇ、やっぱ凛はさ、まだその"保科壱"君が好きって事だよね?」
「そうだよ。凛は今でもアイツが帰ってくるのを待ってる」
早く忘れればいい。
早く幸せにしてくれる人を見つければいい。
俺は、アイツが居なくなって、凛の涙を見た時から毎日そう思っている。
「塁って優しいのな」
「なんだよ急に」
涼が、俺に笑顔で言った。
「凛々の事、心配して今まで一緒にいるんでしょ?優しいじゃん」
「このままお前が告白してみたらどうだ?」
新がすかさず言った。
「それは無理」
「無理って何で?」
茜が言った。
「俺、凛に告った事があるから」
「えっ!?マジで?」
涼が目を見開いてビックリしている。