約束-promise memory-
「凛々、大丈夫かな?柏木の事」
「確かに柏木は、アイツに似ている。だけど、アイツじゃない。もしそうだとしても俺は、アイツに凛を譲るわけにはいかないんだよ」
「過去の"壱"と現在の"壱"か。塁、俺はお前の気持ちに賛成」
新が凛を見つめて言った。
「新・・・」
「凛はどう思うかわからないけど、少なくとも俺達だって、凛には幸せになって欲しいしな、友達として」
「私も、凛の一途な気持ちを反対ってわけじゃないけど、その"壱君"とは幸せになれないと思う」
「俺も凛々の幸せに一票!」
「お前ら・・・」
ガラ―――っ
「何が一票なの?」
凛がベランダから帰ってきた。
「いや、何でもない。そろそろ帰るか」
俺達は、教室を出た。