約束-promise memory-
「それでは集合ー!」
今は体育の時間。
球技大会に向けて、それぞれ練習をするところ。
凛と茜はバレーだから体育館。
涼はというと、俺の隣で音楽を聞いている。
(こいつ、今授業中だぞ。本当音楽バカだな)
新はスポーツがあまり得意じゃないから、野球の審判をする事になっている。
そして、柏木はというと、先生の話をちゃんと聞いている。
「なぁ塁?」
さっきまで音楽を聞いていた涼が、いつの間にかヘッドホンを首にかけ、俺を呼んだ。
「何だ?」
「確か、凛々の想い人の"保科壱"って人、野球が得意だったんだよね?」
「ああ。だったら何だよ」
「柏木も得意なのかな?」
「しらねーよ」
正直興味はないが、気にはなるかも。