約束-promise memory-
キーンコーン カーンコーン
気付けば、お昼時間までその場で座っていた私。
授業サボっちゃった。
塁も怒らせちゃったし。
皆が心配するから戻らなきゃ。
私がその場から離れようとしたら、遠くから私を呼ぶ数人の声が聞こえた。
「りーん!」
「おーい!凛々~!」
そして、新が私の姿を見つけた。
「あ、凛…居た。茜!涼!凛居たぞ」
「新」
茜と涼も、私に近付いてきた。
「凛、あんた何してんのよ!?授業に戻って来ないから心配したじゃない」
「ごめん茜」
「塁も教室に戻ってくるなり帰るし」
「え?塁帰ったの?」
「ごめん凛々、俺、やっぱ一緒について行ってあげればよかったかな?塁と喧嘩したんだろ?」
「涼…ううん、私が悪いの。私がいい加減壱を忘れられないから、塁を怒らせちゃって」
あれ?
何でだろう。
胸が痛い。苦しい。
「私・・ッ・・塁を傷つけッちゃったッ・・」
我慢してた涙が、皆の顔を見たら一気に溢れだしてきた。
皆は何も言わず、茜が黙って頭を撫でてくれた。