約束-promise memory-
-塁 side-
"バサッ"
俺は、部屋の壁にカバンを投げつけた。
そして、ベッドにダイブした。
「・・・・・ッチ・・・」
ムカつく。
こんなに嫉妬深い自分自身にムカつく。
あんな言葉でしか凛に伝えられない自分にムカつく。
ついカッとなって凛にあんな事言っちまったけど、アイツ泣いてるだろうな。
なら言わなければよかったって今更後悔しても遅いんだよ俺。
"コンコン"
「はい」
『塁居るのか?』
"ガチャ"
「何だよ兄貴、何か用?」
「いや、物音がしたから。荒れてんなお前」
兄貴は、俺の部屋を見渡して言った。
「学校、サボったのか?」
「兄貴に関係ないだろ」
「一応、俺教師なんだけど」
俺の兄貴は8個上の25歳で、中学教師をしている。
「ちょっと下まで降りて来いよ。話したい事があるから」
そう言って、兄貴は部屋を出ていった。
「何だよ」
俺は兄貴の後を追った。