約束-promise memory-
【Memory.7】病気と彼女
-凛 side-
夢を見た。
壱の夢。
「・・・・ン・・」
窓から入り込む夕日が眩しくて、私は目を覚ました。
「柏木君…」
私は目を擦り、柏木君の机を見た。
「鞄が・・・・ない!ウソ!帰っちゃたんだ」
仕方ないので、私も鞄に教科書を詰め帰り支度をした。
「ん?」
私は、ある事に気付いた。
柏木君の鞄がなくて帰ったって事は、教室に来たって事?
教室に来たって事は、私が寝てるのも見たって事?
一気に恥ずかしさが増した。
「変な寝顔じゃなかったかな」
話を聞けなかったし、寝顔まで見られたし、最悪だよ。
私は、肩を落として教室を出た。