約束-promise memory-
-壱 side-
俺は学校帰り、病院に立ち寄った。
俺が、毎日立ち寄る病院には、俺の母さんが入院している。
"コンコン"
「はい、どうぞ」
"ガラー"
「母さん、具合どう?」
「あら壱、今日も来てくれたの?」
「何言ってんだよ母さん。タオルとかまだある?無いなら、明日持ってくるけど?」
「大丈夫よ。それより壱、新しい学校はどう?」
「まだ2日しか行ってないから。ま、球技大会が近くて体を動かせるからいいかな」
俺は、椅子に座って母さんを起こした。
「ねぇ壱?」
「何?」
母さんは、悲しげな顔で俺に言った。
「ごめんなさいね。何でもかんでも壱に」
「母さん、それは言わない約束だろ。俺はもう決めたんだよ自分の人生を。これでいいんだよ」
「壱、凛ちゃんには会えた?」
「母さん、それは一番したくない話だよ」
母さんは、俺と凛の事情を知っている。
俺と凛がこうなったのを自分のせいにしている。
だけどそれは違う。
悪いのは全部…。
"コンコン"
「はい」
母さんの病室に誰か来た。