約束-promise memory-

「それに、たぶんアイツは、凛の事をまだ･想ってるんだと思う。」


「え？」


「アイツは、ここへ来た理由を「自分の為」って言ったんだ」


「自分の為って？」


「凛への償い。裏切ってしまった凛に、何らかの方法で償えば、少しは裏切った苦しみから解放されるかもしれない。とかな」


「それって結局は、自分が苦しみから解放されたいからと言うことか」



頭の回転が早い新が言った。



「ま、それは俺の臆測に過ぎないんだけど」




だけど俺は見たんだ。


凛の名前が出た瞬間のアイツの顔。



昔のアイツの顔だった。




俺らはとりあえず、壱の様子を見るという事で、話を終わらせた。