約束-promise memory-
皆が席につき、担任の川島先生(カワシマ)が教室に入ってきた。
「えー、今日は転校生を紹介する。」
教室がざわめき始める。
「この時期に転校生とは、珍しいな」
新がCOOLな声で呟く。
確かに、珍しい事ではあるのかもしれない。
「では、入ってきなさい」
先生にそう呼ばれ、一人の男子生徒が教室に入る。
教室が更にざわめき出した。正しくは、女子が。
スラっとした長身に、整った顔、それに・・綺麗な栗色の髪をなびかせた彼。
女子が騒ぐのも無理はない。まさに、イケメン。
だけど、私は彼に違和感を感じた。
いや、あの人に違和感を感じたのは、私だけじゃないはず・・・
「・・・・・壱・・・・・」
私は、誰にも聞こえない程度で呟いた。