約束-promise memory-





"コンコン"



「はーい」



"ガチャ"



「凛、塁君が来てくれたわよ」


「え!?」



俺は、おばさんの後ろから姿を見せた。



「…塁」


「よっ」


「じゃ、塁君ゆっくりしてってね。後で飲み物もって来るわ」


「ありがとうございます」



俺はおばさんにお礼を言って、凛の部屋に入った。




「風邪ひいたって聞いてさ」


「うん」


「もう大丈夫なのか?」


「うん」



大丈夫とは言ってるが、少し元気がない。



「凛、あのさ……その、ごめん」


「…え」


「酷い事言って」


「ううん。塁のせいじゃない。私がいけないの」


「何で凛が謝るんだよ」


「私が、いつまでも壱にこだわってるから。塁を困らせてる」


「……凛」



凛は俺が困ってるって思ってんのか。


本当は全て嫉妬なんだけどな。


凛のやつ、気付いてないのか。


まだ俺が凛を想ってる事。


ってか、最初から気付いてなかったりして。








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