約束-promise memory-
「なぁ凛」
俺は、凛のベッドに腰かけた。
「何?」
「俺が告白した時の事って覚えてるか?」
「うん、確か…中2の頃だよね?」
「そう」
「よく覚えてるよ。だって、塁はあの時も、私に気を遣ってああやって言ってくれたんだもんね」
やっぱり。
そう思って受け止めてたのか。
「凛、俺は……」
俺は言葉を途中で止めた。
「ん?なに?」
「いや、何でもない」
俺は今、何を言おうとしたんだ。
今凛に想いを伝えたところで、どうなる。
「なに?気になる!」
「忘れたから何でもない。それよりさ凛、茜達に聞いたんだけど、柏木に聞こうとしたんだって?」
「あ…う、うん」
俺が言ったんだもんな。
本人に聞けよって。
「で、でもね!柏木君、先帰っちゃって、結局聞けなかったの」
「そっか」
「うん。また機会があったら聞いてみるから」
「ああ」
壱。
お前は本当に、「壱じゃない」って言い続けられるのか。