約束-promise memory-





「じゃおばさん、行って来ます」


「行ってきます」


「行ってらっしゃい!気をつけてね」



そしていつものように、お母さんに見送られ、私達は学校へ向かった。


その道中、私は塁に聞いた。




「ねぇ塁?」


「何?」


「私ね、昨日色々考えてたんだけど」


「何を?」


「塁はどうなの?」


「何が?」


「塁は、柏木君が本当は誰なのか、知りたくないの?」




壱を気にかけているのは塁も同じこと。


親友だったし、仲がよかった2人だから。


柏木君がもしかしたら"壱"で、また3人で笑えるかもしれない。


そう考えてるのは私だけなんだろうかと、昨日ずっと考えてた。




「塁は、壱に会いたくないの?」




塁は、しばらく黙っていた








< 90 / 309 >

この作品をシェア

pagetop