約束-promise memory-
「じゃおばさん、行って来ます」
「行ってきます」
「行ってらっしゃい!気をつけてね」
そしていつものように、お母さんに見送られ、私達は学校へ向かった。
その道中、私は塁に聞いた。
「ねぇ塁?」
「何?」
「私ね、昨日色々考えてたんだけど」
「何を?」
「塁はどうなの?」
「何が?」
「塁は、柏木君が本当は誰なのか、知りたくないの?」
壱を気にかけているのは塁も同じこと。
親友だったし、仲がよかった2人だから。
柏木君がもしかしたら"壱"で、また3人で笑えるかもしれない。
そう考えてるのは私だけなんだろうかと、昨日ずっと考えてた。
「塁は、壱に会いたくないの?」
塁は、しばらく黙っていた