約束-promise memory-




涼は、どうしたもんかと言う顔で、ヘッドホンを耳にあてた。



「ならどうするんだよ?これから」



新が聞いてきた。



「俺だって、どうしていいか分からないから頭抱えてんだよ」


「凛に告れば?」



冷静にそういう事言える新が羨ましい。



「お前って悩みないだろ?」


「いや、あるから」


「へぇ」


「とにかく。柏木と凛の間にいるのはお前だぞ塁」


「わかってるよ」



そんな事はわかってる。


俺だって思う。


凛がずっと壱の事で悩むくらいなら、壱の事を話した方がいいのかもしれない。



俺、そんなに大人じゃないし。


わからない。


自分がどうするべきか。




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