約束-promise memory-
ご飯途中、先に凛の様子がおかしいのに気付いたのは、涼だった。
「凛々、体調悪いの?」
「え?ううん、大丈夫だよ!」
「大丈夫って、あんま進んでないけど?」
俺はそう聞いた。
「本当に、大丈夫」
「そっか。ならいい」
俺と凛の会話を聞いて、3人は目を合わせた。
大丈夫と言っていた凛が、急にご飯を食べる手を止めた。
「……あのね」
凛が小さな声で話始めた。
「何だよ?」
「皆がまた心配するの嫌だから、やっぱり先に話す。さっき、売店で柏木君に会って、今日の放課後、私の話を聞いてくれるって言ってくれたの」
「聞くの?柏木に」
涼が心配そうな声で言った。
凛以外は、柏木が壱だって知ってるから、皆複雑な気持ちなんだろうな。
たぶん悩んでんのは俺だけじゃないよな。
こいつらも、何だかんだで凛の事を心配してくれてるんだよな。
「いいんじゃない?それで凛の気持ちがスッキリするならさ」
新は、敢えて壱との話し合いを進めた。