小悪魔な幼なじみ




「ねぇ、お母さん?」


「ん?」


全ての料理を温め終えたお母さんがあたしの前に座る。



「お父さんのこと…スキ?」


自分の母親になんて質問をしてるんだろう、

って自分でも思う。


でも聞いてみたくなっちゃったんだから仕方ない。



お母さんは俯いて恥ずかしそうにしている。


すると


「……俺は零のことスキだけどな」

と、お父さんの声が聞こえて。



「いつも言ってるじゃん。

上半身裸はやめて、って」


お風呂上がりのお父さんを睨む。



「あ、ついいつものクセで」


あはは、と笑うお父さん。

笑っても誤魔化されないっつーの



「センセ、そういうことサラッと言うの恥ずかしいからやめて、って言ってるじゃん」


お母さんは真っ赤な顔でお父さんを睨む。



「いいだろ、ホントのことなんだから」


「もー!」


と、怒るお母さん。

でも全然怖くないよ?


だってそんなもー!じゃ、お父さんへの愛しか感じられないんだもん。


口にはしないけど。

でもお父さんが好きなんだよね、お母さん?









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