小悪魔な幼なじみ
「いつも2人で登校してるの?」
そんな竜馬くんの質問にあたしはこう答えた。
「廉が迎えに来るから仕方なく、ね」
そう言い終えるとまた隣の廉の顔が険しくなった。
「ホントは雫だって嬉しいクセに」
ボソッと小さな呟きが聞こえて。
「嬉しいワケないでしょ!?」
と、当たり前に言い返すあたし。
「まあまあ、朝からケンカは良くないよ?」
竜馬くんにそうなだめられるまで、あたしと廉は睨み合いをしていた。
「にしても、うらやましいな、俺」
「何がうらやましいの?」
気がつくとなぜかあたしたちは横並びで登校していた。
右から廉、あたし、竜馬くんの並び順だ。
「廉と雫ちゃんの関係だよ。
俺、昔から親の転勤でいろんなところ行ってたから、友だちって言えるような友だち、全然いなくてね?
だから、2人みたいな関係、すごくうらやましい」
ふと廉の方を見ると視線が交わって。
慌てて、逸らす。
なんだか急に恥ずかしくなったんだ。