小悪魔な幼なじみ





「ちょ、ちょっと雫?!」


と、そこへまたもや登場。

我が友の梢。



「あ、ごめんね?音無くん。

ちょっと雫、借りるよ?」


梢はそう言ってまたあたしの腕を掴むとさっきの場所へと連れ込む。



「今度は…何?」


「ほら、見てみなよ」


「何を?」


梢はあごで向こうの方を指す。

その先には…


「あちゃー…」


廉がいて。



「雫が竜馬くんと話し始めてからずっとあの顔」


「朝もあの顔してた」


不機嫌丸出しの、あの顔ね。



「どうも廉は竜馬くんが気に入らないみたい」


「そりゃあそうだろね。

なんせ、ライバルになりうる存在だからね」


「ライバル?」


「あ、今のは気にしないで」



さっきから梢はいったい何を言っているんだろう。

全然話が読めないんだけど、あたし。






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