小悪魔な幼なじみ
カァァと一気に顔が赤くなる。
「雫は?
俺のこと、好き?」
ねぇ、どうして?廉。
なんでいきなり、そんなこと言うの?
しかも、恥ずかしげもなく、
なんでもない、みたいな顔して。
「俯いてちゃ…分かんないよ?雫?」
廉はそう言ってあたしの頬に手を当てる。
「………や…やめて」
そんな廉の手を振り払う。
心臓がドクドクと大きな音をたてていた。
「14年間、いつだって幼なじみでいたじゃん。
なんで突然、好き、なんて言うの?」
顔を上げると廉と目が合った。
でもあたしはすぐに目を逸らし、保健室を出て行った。
言えば良かった。
言えば良かった。
「あたしもだよ」
って。
「あたしも、スキなんだよ」
って。