小悪魔な幼なじみ
「……雫ちゃん!」
ある日の部活終わり。
マネージャーの仕事を終えたあたしは1人で帰ろうとしていた。
いつもなら廉と一緒に帰るけど、今日は先に先輩と帰ったみたい。
ま、あたしはそのほうが助かるんだけどね。
「あ!竜馬くん!
部活、お疲れ様」
「雫ちゃんもお疲れ」
あたしに声をかけたのはジャージ姿の竜馬くんだ。
「家まで送って行くよ!もう暗いしさ」
竜馬くんはそう言ってふっと笑う。
「え?いいよ、そんなの!
竜馬くんに申し訳ないし」
「遠慮しないでよ。
どうすんの?もし帰り道にヘンな人に襲われたら…」
竜馬くんがあまりに心配そうな顔をするので
結局、竜馬くんの言葉に甘えることにした。
そして学校を出てすぐ。
竜馬くんが突然、こんなことを言った。
「そう言えばさ、まだ1回も聞いたことなかったんだけど、
雫ちゃんと廉はホントにただの幼なじみ?」