小悪魔な幼なじみ




誰かが廉を呼ぶ声。

その声の主は明らかに女の子。


あたしはそっと陰から声のしたほうを覗いて見る。



「………岡崎先輩」


そこにいたのは1つ上の岡崎先輩。

そして…廉だ。



「どうしたの?雫ちゃん」

不審な動きをしていると竜馬くんが不思議そうな顔をして聞いてくる。



「いや、なんでもないんだけど…」

そう言いながらも目をそらせないあたし。


だって…分かるんだもん。

岡崎先輩が今から言おうとしてること。



「あれ?廉じゃん。

あの人は…誰?」


あたしの後ろから覗き込む竜馬くん。

なるべく小さな声で説明をする。


「3年生の岡崎先輩。


見た目はすごく純粋そうに見えるけど

裏じゃ男遊びが激しいみたい。」


いかにも爽やかそうな岡崎先輩。

だけど、それをいいことにいろんな人と遊んでるんだって。


多分、うちの中学に通ってる人ならほとんどの人が知ってる話だ。



「そうなんだ。

なんか…雰囲気が怪しいね」


竜馬くんが心配そうな瞳であたしを見ていることが分かる。

顔を見ているワケじゃないけど、

きっとあたしのことを心配してる。


竜馬くんは…ホントに優しいよね。

だけど、たまに優しすぎて辛いよ、あたし。








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