小悪魔な幼なじみ
溢れる涙を拭うと家まで走った。
ただいま、も言わず自分の部屋にこもる。
そしてジャージ姿のまま、ベットに倒れ込んだ。
うつぶせの状態で手探りでコンポのリモコンを探し、スイッチオン。
そこからはあたしの1番好きなアーティストの曲を大音量で流す。
「姉ちゃん!音、大きいよ!」
ドアの向こうから弟の優の声がしたけど当たり前に無視。
だって音、小さくしたら…バレちゃうでしょ?
泣いてること。
枕に顔をおしつける。
息が苦しくなった。
でも、それよりずっと…胸の方が苦しかった。
枕を強い力で握りすぎて手が痛くなった。
でも、それよりずっと…胸の方が痛かった。
ねぇ…誰か、教えて。
この胸の苦しみを、痛みを、和らげる方法を。
お願いだから。
お願いだから…この痛みからあたしを開放して。
じゃないとあたし…このまま泣きすぎて枯れちゃうよ―――………