小悪魔な幼なじみ





溢れる涙を拭うと家まで走った。

ただいま、も言わず自分の部屋にこもる。


そしてジャージ姿のまま、ベットに倒れ込んだ。


うつぶせの状態で手探りでコンポのリモコンを探し、スイッチオン。

そこからはあたしの1番好きなアーティストの曲を大音量で流す。


「姉ちゃん!音、大きいよ!」

ドアの向こうから弟の優の声がしたけど当たり前に無視。


だって音、小さくしたら…バレちゃうでしょ?

泣いてること。


枕に顔をおしつける。

息が苦しくなった。


でも、それよりずっと…胸の方が苦しかった。


枕を強い力で握りすぎて手が痛くなった。

でも、それよりずっと…胸の方が痛かった。


ねぇ…誰か、教えて。


この胸の苦しみを、痛みを、和らげる方法を。



お願いだから。

お願いだから…この痛みからあたしを開放して。



じゃないとあたし…このまま泣きすぎて枯れちゃうよ―――………













< 132 / 215 >

この作品をシェア

pagetop