小悪魔な幼なじみ





竜馬くんはそう言ったきり、何も喋らない。

ぶつかったままの視線を逸らすことも出来ない。


あたし…どうすればいい?


そう思っていると



「おっはよー!雫!」


後ろから背中を叩かれた。

そこでやっと、視線を逸らすことができた。



「朝から元気だね、梢」


「でしょー?あれ?ってか今日、廉くんは?」


教室を見回して廉の姿がないことに気がついた梢は首を傾げる。



「あ、あたしさ!今日から早寝早起きすることにしたんだ!

だから廉と来るのやめたの」


一方的にやめたんだけどね。



「へ~そうなんだ。

ま、雫のことだからきっとすぐに寝坊しちゃうんだろうけどね」


「失礼な!あたし、今回は本気だからね!」


なんたって寝坊すれば廉と気まずい登校が待っているんだから。

それだけはなんとしても阻止するよ!



「大丈夫!雫は明後日には寝坊するから!

ね?音無くん?」


何が大丈夫なの?!

しかもなんで突然、竜馬くんに話し振るの?!



「うん。きっと明後日は廉と一緒に学校来てると思うよ」


って!なんで竜馬くんもそんなこと言うの?!


2人してヒドイよ!!







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