小悪魔な幼なじみ




「昨日さ」


あれから梢は自分の席に戻った。

そうすると竜馬くんが話しかけてくる。



「あれから…部活、行ったんだよね?」


「……一応ね。でも顧問に顔色悪いから帰れ、って言われてすぐに帰っちゃったけど」


「そうなんだ」


曖昧に微笑む竜馬くん。



「今日…早く来たのって廉と会いたくなかったからでしょ?」


「………あれ?やっぱりバレてた?」


あたしはおちゃらけた笑顔を浮かべる。



「バレバレだよ。

あ…廉来た」


竜馬くんは笑ったかと思うと声を潜め、そう言った。



あたしは席を立ち上がる。

なぜなら廉がこっちに近づいて来るのが分かったからだ。


でも


【キーンコーンカーンコーン】


とチャイムが鳴って。


あたしは廊下に出ることを諦めた。








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