小悪魔な幼なじみ
「え?パンクしてるの?
どうすればいいの?廉」
どうすればいい…って僕に聞かれても。
そう思いながら
「自転車押して、歩いて行こう。
もうすぐ着くからさ」
そう言った。
雫が頷いたの確認して歩き出す。
正直、もうすぐ着くかどうか、自信がなかった。
でもそう言わなきゃ雫をあの場所へは連れて行けない。
そう思って僕はウソをついたんだ。
「ねぇ…まだ?
まだ着かないの?」
歩き始めて20分くらい経った頃、雫が言う。
「もうすぐだよ、もうすぐ」
そう答えたときはちゃんと、自信があった。
もう見覚えのある景色だ。
「廉、そう言えばすごくいい場所ってどこなの?」
雫が当たり前と言えば当たり前の質問をしてくる。
僕は意味深に笑いながら
「秘密だよ。
着いたらのお楽しみ」
そう答えた。