小悪魔な幼なじみ




「え?パンクしてるの?

どうすればいいの?廉」


どうすればいい…って僕に聞かれても。

そう思いながら


「自転車押して、歩いて行こう。

もうすぐ着くからさ」

そう言った。


雫が頷いたの確認して歩き出す。

正直、もうすぐ着くかどうか、自信がなかった。


でもそう言わなきゃ雫をあの場所へは連れて行けない。

そう思って僕はウソをついたんだ。



「ねぇ…まだ?

まだ着かないの?」


歩き始めて20分くらい経った頃、雫が言う。



「もうすぐだよ、もうすぐ」


そう答えたときはちゃんと、自信があった。

もう見覚えのある景色だ。



「廉、そう言えばすごくいい場所ってどこなの?」


雫が当たり前と言えば当たり前の質問をしてくる。

僕は意味深に笑いながら


「秘密だよ。

着いたらのお楽しみ」


そう答えた。









< 14 / 215 >

この作品をシェア

pagetop