小悪魔な幼なじみ





「おー!朝倉!

お前、廉見なかった?」


「え?廉、来てないの?」


ジャージに着替え、グラウンドに出ると吉田に声をかけられた。

吉田は夏に引退した3年の先輩に抜擢されてキャプテンになった。

ちなみに廉は副キャプテン。



「アイツ、サボる気か?」


「でも今日、部活の用意持ってたよ?」


なんだよマジで…と吉田がボソッと呟く。



「あー…じゃあさ、朝倉。

悪いんだけど廉探しといて。


先に練習始めとくから。

じゃ、頼んだ!」



「え?!はっ?!ヤだよー!!」


そんなあたしの叫びは軽くスルーされ吉田の背中は遠くなっていく。



「………サイアク」

独り言を呟き、仕方なく歩き出す。


目的地は決まってる。

あそこでしょ、絶対。


前もあの場所にいたし。


重い足を引きづりながらまた、校舎の中に入った。









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