小悪魔な幼なじみ




「………やっぱり」


予想通り、廉がいるであろう場所に近づくにつれてピアノの音色が聞こえてくる。



相変わらず廉らしい音だ。


前に探しに来たときと同じように音楽室の前で深く深呼吸。



頑張れ、あたし。

躊躇ったって無意味じゃない。


そう自分を奮い立たせ、ドアを開けた。


きっと…いや、絶対にあたしが入って来たことに気づいているはずなのに

廉は弾くことをよめようとはせず、

ひたすらに鍵盤をたたいている。


顔くらい…上げてくれてもいいんじゃないの?


そう思いながらあたしはピアノの音に負けないように声を張った。





「………部活!行くよ!廉!!」














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