小悪魔な幼なじみ
「………………………」
絶対に聞こえてる。
聞こえてるはずなのに…
なんで返事、してくれないワケ?
「……廉!弾くのやめてよ!」
さっきよりも声を張った。
なのに
「………………」
またシカト。
なんなの?ホント。
何がしたいワケ?
段々イライラしてきたあたしは廉のほうへ歩き出した。
数歩歩き、廉の横に立った。
そして耳元で怒鳴る。
「いい加減、なんか言ってくれない?!」
そうするとピタッと音が止んだ。
「……さすがにそれはやりすぎだよ」
耳を押さえながら廉が言う。
……作戦成功、ね。
「早く部活、行くよ。
吉田が待ってるから」
そう言ってあたしは音楽室を出ようとした。
でも
「ねぇ…雫。
雫が…俺のこと避けてたの、って…
俺が岡崎先輩に告白されたから…?」
そんな廉の言葉に足を止めざる終えなかった。