小悪魔な幼なじみ
「……ああ、だからか」
廉は俯きそう呟く。
「何が?」
「あのとき、聞こえた気がしたんだ。
雫ちゃん!って呼ぶ声が。
気のせいだって思ってたんだけどなぁ…」
残念だったね、廉。
気のせいだったら…良かったのにね。
「確かあの声は音無だった。
アイツもいたのか?」
「一緒に見てた。
廉と岡崎先輩のキスシーン」
「で、音無に慰めてもらった?」
何が言いたいの?廉
「音無に…惚れた?」
「……何言ってるの?」
なんであたしが竜馬くんに惚れるの?
確かにカッコイイし、
優しいし、いい人だとは思う。
キラースマイル見る度にドキッてするけど、
それは恋…なんかじゃない。
ちゃんと分かってる。
だってあたしが好きなのはただ1人しかいないんだから。