小悪魔な幼なじみ





「雫!着いたよ!」


長い坂道を上り終えると目の前には階段。



「廉…速いよ…

ってもしかしてここ、昇るの?」


雫は自転車を止めて僕を睨む。



「もちろん。」

そう答えると


「ヤだよ!もう疲れた!

階段なんて昇れない!」


雫が駄々をこねて。



「僕だって疲れたよ!

けど、本当にすごいんだ。


ここを昇れば見えるんだよ!」


ここで諦めたら意味がない。

僕は、あの景色を見せたくてここまで雫を連れてきたんだから。



「ホントにすごい?」


「うん!ホントにすごい!」


雫ははぁ…と溜め息をつくと階段に足をかける。



「すごくなかったらデコピンだからね!」

そう僕を睨んで。









< 15 / 215 >

この作品をシェア

pagetop