小悪魔な幼なじみ
「雫!着いたよ!」
長い坂道を上り終えると目の前には階段。
「廉…速いよ…
ってもしかしてここ、昇るの?」
雫は自転車を止めて僕を睨む。
「もちろん。」
そう答えると
「ヤだよ!もう疲れた!
階段なんて昇れない!」
雫が駄々をこねて。
「僕だって疲れたよ!
けど、本当にすごいんだ。
ここを昇れば見えるんだよ!」
ここで諦めたら意味がない。
僕は、あの景色を見せたくてここまで雫を連れてきたんだから。
「ホントにすごい?」
「うん!ホントにすごい!」
雫ははぁ…と溜め息をつくと階段に足をかける。
「すごくなかったらデコピンだからね!」
そう僕を睨んで。