小悪魔な幼なじみ
最終章
バカみたい
「雫ー!廉くん来たよー!」
「今行くー!!」
そう叫んで階段を駆け降りる。
「行ってきます!!」
「「いってらっしゃーい」」
お父さんとお母さんの声を背中に受けて家を出た。
「おはよう、雫」
「……うるさい」
「今日も先に行かれたかと思った。」
「……うるさい」
あたしは電柱にもたれかかる廉を追いて先に歩き出す。
「もう許してくれたんだ?」
「…許す?なんのこと?」
チラッと廉のほうを見て言う。
「素直じゃないんだから、雫は」
そう笑う廉に若干イラつくあたし。
でも、もういい。
だって気にしないことにしたんだもん。
気にしてたら廉の幼なじみなんてできない、
ってこと思い出したんだもん。