小悪魔な幼なじみ
「そっかぁ~
廉と仲直りしたんだ」
「だから!ケンカしてないって!」
廉と一緒に教室に入って、
席に着くと竜馬くんに言われる。
「あれは確実にケンカだったよ。
っていうか雫ちゃんだって認めてなかったっけ?」
「認めてないよ!
あれは用事がなくてたまたま話さなかっただけのことなの!」
「分かったよ。
そういうことにしとくね」
竜馬くんはそう言って笑う。
なんかバカにされてる?あたし。
そう思いながらも言った。
「と、いうワケであたし、もうあのこと…気にしないって決めたから」
「あのこと?」
「あの日のあの告白のあの場面」
あの、をあえて連呼した。
だって具体的なことは何も言いたくなかったから。
ちゃんとすべてを言ったら…きっとまた、胸が痛くなる。
そんな気がしたから。
だからオブラートに包んで言ったんだ。
「そっか。
でも1つだけ…言ってもいい?」
「どうぞ」
そういうと竜馬くんはまっすぐな目でまっすぐな言葉を放った。
「気にしないなんて無理だと思うよ。
雫ちゃんは…廉のことが大好きだから」