小悪魔な幼なじみ
「「95」」
「「96」」
結局、階段を昇り始めたものの予想外に階段は長くて。
数を数えながら階段を昇ったけど、
気づいたらもうこんな数字。
「もうちょっとだよ、雫」
ヘトヘトの雫と手を繋いで残りの階段を昇る。
「「97」」
「「98!
着いたー!!!」」
階段は98段あることが判明。
って、そうじゃなくて。
「……………廉」
階段を昇りきったと同時に広がる景色。
雫が目をキラキラさせて言う。
「ホントに、すごいね。
あたし、こんなキレイな夕日…見たことないよ…」
この場所はお父さんに教えてもらった。
初めてこの景色を見たときから雫にも見せたい、ってずっと思ってたんだ。
で、今日お父さんと約束して雫を連れてきた。
その約束は
「ちゃんと明るいうちに雫を家に帰すこと」
もちろん、その約束を破るつもりはない。
だって破ったらお父さんに怒られるんだ。
怒ったお父さんはどうしようもなく、怖いからね。