小悪魔な幼なじみ
「じゃあ席替えします!
前から順にくじ引いて~」
そんな言葉と同時に立ち上がる前のほう。
ああ…こいうとき、後ろの方の席ってふりだ。
あ、でも残り物には福がある、って言うしなんだかんだいい席になったりしてね。
「また隣の席になれるといいね」
竜馬くんはそう言って微笑む。
「そうだね。」
そう言ってあたしも微笑んだ。
そんなうちに前のほうに座っている廉がくじをひいている。
そして手元の紙と黒板の座席表を見比べてあたしのほうを向いた。
『何番?』
口パクで聞く。
ってあたし、何やってるんだろ。
『24』
手と口で廉が表す。
24って最高じゃん!
今のあたしの席の斜め後ろだ。
「雫!私、29だったよ!」
今度は梢。
29…?
それ、今のあたしの席じゃん!
ってことは廉と梢は近くなるんだね。
梢の傍がいいけど、
廉の近くはイヤだからなぁ…
なんて考えているとあたしの番が回ってきた。
「………よし、これにしよっ!」
袋の中から折りたたまれた紙を取り出す。
これに……あたしの運命がかかっている!!